木村啓志
木村啓志ゼミナール
  本研究室は、マイクロ・ナノデバイス技術を医療・バイオ分野と融合させることで新しい研究分野や産業を創出することを目指しています。具体的には、微細加工技術を活用して1/1000ミリ単位の小さな空間を自在に設計・加工して手のひらサイズの“小さな装置”の開発を行っています。その小さな空間の中で細胞や生体分子を取り扱うことによって、生体機能の再構築や生命現象の解明を実現する、医療応用を目指したデバイスやシステムの研究を進めています。機械と生物という一見相容れないもの同士を巧みに組み合わせたシステムの創成は、医療応用への利便性を向上させるだけでなく新たな発見への期待を膨らませてくれます。

研究分野の今後の発展性・社会性について

少子高齢化が進む中で、高度な治療から在宅での日常的な検査まで、医療の重要性は今後ますます高まることが予想されます。本研究室で開発を進めているような、操作が簡便で小型な医療デバイスが普及すれば、誰もが安心して迅速な検査や高度な治療を受けられるようになることが期待できます。本研究分野は、先端的な工学技術と医療・バイオをはじめとする様々な学問とを融合して新たなシステムを創成しようとする領域横断型の新しい研究分野です。
21世紀はIT(情報技術)と共に、バイオの時代とも言われています。こういった工学とバイオを融合した先端技術の研究は、今後ますます注目されるでしょう。

研究の特異性

本研究室における研究アプローチは、人工物と生物を組み合わせて生体親和性の高いハイブリッド型の医用デバイスを構築することです。そのため、「機械」だけではなく、「生きた細胞」を用いて実験することもあります。

取り扱う細胞の種類も様々で、ヒトの体細胞だけでなく、再生医療への応用を目指してES/iPS細胞や生殖細胞を使った研究も行っています。機械工学の枠組みの中でこれだけ多種類の細胞を扱う研究は世界的に見ても非常にユニークです。

研究の楽しさ

自らの手を動かして作った「もの」が、意図したとおりに機能した時の喜びは何物にも代えがたいものです。これは当たり前のように聞こえますが、実際には非常に大変なことです。
これをひとつひとつ積み重ね、自らが設定した目標に向かって問題を解決したり、新たな発見をしたりすることに研究の最大の楽しさがあります。

ゼミ・教育について

本研究室は、「もの作り」の研究室です。そのため、学生の主体性を重視しています。研究テーマについては、既存のテーマに囚われることなく、学生自身が積極的に進めていける研究テーマを一緒に模索していきます。学内外の研究機関との共同研究も盛んに実施しているので、より高いレベルの研究にも従事することができます。時には「論よりRUN」の精神で行動力をもって新たな研究テーマにチャレンジしていきましょう。

「機械工学科の学生がバイオなんて・・・」という人もいると思いますが、やる気さえあれば、まったく心配いりません。生きた細胞だってすぐに扱えるようになります。まずは興味を持って、自由な発想で、積極的に研究に参加してみてください。もしかしたら、バイオの常識にとらわれない皆さんの発想から大発見が生まれるかもしれません。

卒業研究テーマ

  1. 動物実験代替を目指す臓器細胞集積化型人体シミュレータ
  2. 生殖補助医療に向けた良質精子選別デバイスの開発
  3. 生殖補助医療に向けた受精卵培養デバイスの開発
  4. 小型医用デバイスのためのマイクロポンプ・バルブの開発
  5. マラリア原虫ライブイメージング用マイクロシステムの開発
  6. 生体適合性の高い材料を用いた微細加工
  7. 細胞アッセイに向けたマイクロバイオセンサの開発
  8. モノクローナル抗体スクリーニングシステムの開発

入学をお考えの皆様に向けて

研究室のキャッチフレーズは、「常に社会のニーズを意識して実用化を目指すもの作り」です。いつの日か自分たちが開発したデバイスが世のため、人のために役立つことを夢見ながら昼夜を問わず研究を進めています。研究室のメンバーは学年を問わず和気藹々と切磋琢磨しながら日々研究を続けています。

東海大学には自己を表現するためのチャンスがたくさんあります。それらを活かしてオンリーワンを目指しましょう。研究室での研究もそのチャンスの一つです。

大学生活ではその時にしかできないことにどんどんチャレンジしてみてください。そこにはきっと、一生ものになる出会いがあるはずです。

木村啓志 准教授
学位 博士(工学)
専門テーマ 医用バイオマイクロシステム工学
専門分野 微細加工、バイオエンジニアリング、生体システム工学
職歴 <学歴>
2007年 東京大学大学院 工学系研究科 博士課程後期 修了
<職歴>
2007年〜2009年 東京大学生産技術研究所 特任研究員
2009年〜2012年 東京大学生産技術研究所 特任助教
2011年 法政大学 工学部 兼任講師
所属学会 日本機械学会
電気学会
日本ロボット学会
計測自動制御学会
化学とマイクロ・ナノシステム研究会
定量生物の会
研究キーワード 医療
創薬
バイオMEMS
μTAS
異分野融合
担当講義 材料工学・加工学基礎特論
基礎製図
機械工学実験1・2
機械工学実習
機械工学概論
機械工学ゼミナール
入門ゼミナール
問題発見ゼミナール
主な論文著書
  H. Kimura, M. Nishikawa, T. Yamamoto, Y. Sakai, T. Fujii, “Microfluidic Perfusion Culture of Human Hepatocytes”
Journal of Robotics and Mechatronics, vol.19, no.5, pp.550-556, 2007
  H. Kimura, T. Yamamoto, H. Sakai, Y. Sakai, T. Fujii, “An Integrated Microfluidic System for Long-term Perfusion Culture and On-line Monitoring of Intestinal Tissue Models”
Lab on a Chip, vol.8, no.5, pp.741-746, 2008
  木村啓志,中村寛子,岩井孝介,山本貴富喜,竹内昌治,藤井輝夫,酒井康行,“ダイナミックマイクロアレイを用いた受精卵操作の自動化の試み”
電気学会論文誌E,vol.129, no.8, pp.252-258, 2009
  H. Kimura, H. Nakamura, T. Akai, T. Yamamoto, H. Hattori, Y. Sakai, T. Fujii, “On-chip Individual Embryo Coculture with Microporous Membrane-supported Endometrial Cells”
IEEE Transactions on NanoBioscience, vol.8, no.4, pp.318-324, 2009
  H. Kimura, H. Takeyama, K. Komori, T. Yamamoto, Y. Sakai, T. Fujii, "Microfluidic Device with Integrated Glucose Sensor for Cell-based Assay in Toxicology"
Journal of Robotics and Mechatronics, vol.22, no.5, pp.594-600, 2010
  木村啓志,庄野裕基,N. Pereira-Rodrigues, 山本貴富喜,酒井康行,藤井輝夫,“オンチップグルコースセンサによる細胞活性オンライン計測の検討”
電気学会論文誌E,vol.130, no.10, pp. 476-483, 2010
  Y. Nakao, H. Kimura, Y. Sakai, T. Fujii,” Bile canaliculi formation by aligning rat primary hepatocyte in a microfluidic device”,
Biomicrofluidics, vol.5, pp.022212-1-7, 2011
  K. Komori, S. Fujii, K. Montagne, H. Nakamura, H. Kimura, T. Otake, T. Fujii, Y. Sakai “Development of a Well-of-the-Well System-Based Embryo Culture Plate with an Oxygen Sensing Photoluminescent Probe”
Sens. Actuators B, vol.162, pp.278-283, 2012
  木村啓志,竹内昌治,金範凵C酒井康行,藤井輝夫,藤田博之,“細胞操作技術の最前線:第3回細胞選択技術”
Medical Bio,オーム社,vol.6, no.4, pp.8-10,2009
  木村啓志,酒井康行,藤井輝夫,“第4章:医療計測用バイオマテリアル,第13節:マイクロ流体デバイス技術を応用したin vitro生体モデルの構築”
先端バイオマテリアル,エヌティーエス出版,2012
ページTopへ戻る